いつ起こるかわからない、巨大地震南海トラフ地震。もし、起きると日本にどれくらいの損害を及ぼすのでしょうか?今回は南海トラフ地震が日本に及ぼす被害を被害総額という形で説明します。
南海トラフ地震の被害額想定
2018年6月に土木学会は南海トラフ地震が発生した場合、20年間の経済的な被害が最大で1410兆円になると発表しました。この被害増額である1410兆円という金額が莫大すぎて分かりにくいので他の金額と比較してみました。
- 金閣寺の創設費用:約7億4,000万円
- 万里の長城の創設費用:約2兆1,600億円
- 日本の一般会計歳出(平成30年度):977,128億円
上記の数値と比較しても分かるように、南海トラフ地震が起こると莫大な被害が及ぶことが分かると思います。
南海トラフ地震の被害額の根拠
では、なぜ20年間の被害総額を土木協会は公表したのでしょうか?これは、阪神淡路大震災の復興までにかかった期間が関係しています。
上記のグラフは阪神・淡路大震災の被災地の(全国値を基準とした)GDPの推移のグラフです。阪神淡路大震災が起きた1955年に地点を見ると被災地では震災直後にGDPが40%まで減少し、そこから少しずつ回復していくのが見えます。「完全回復」は災害から20年後の2015年でした。そしてこのような分析から、土木学会は阪神・淡路大震災の経済被害総額は約90兆円だったことを改めて公表しました。土木学会はこの阪神淡路大震災で大きな被害を被った神戸市が受けた経済活動の被害などを加味して20年という期間を設定しました。
南海トラフ地震の被害の内訳
南海トラフ地震の被害の内訳としては下記の通りです。
- 地震や津波で壊れる建物の直接被害:約170兆円
- 交通インフラ寸断や生産施設が影響を受けることによる20年間の経済被害:約1240兆円
首都直下地震による被害総額に関しては下記の通りです。
- 建築物や工場などの直接被害:約47兆円
- 経済被害:731兆円
また、学会は大地震とは別途、高潮や洪水による被害推計も公表しました。
- 東京湾で巨大高潮が起きた場合:最大110兆円
- 東京荒川巨大洪水:約62兆円
上記に出した被害総額は道路や堤防のなどのインフラの強化や耐震化などを行えば南海トラフ地震は約40兆円、首都直下地震は約10兆円投じれば、被害額は3~4割減ると言われています。
まとめ
もし、起きたら日本が大惨事になる南海トラフ地震。被害を最小限に抑えるには国策だけに頼っていてはいけません。被害を最小限に抑えられるように、家の耐震工事を行ったり、非常食を備蓄したり、万が一に備えましょう。防災に関しては下記の記事を読むなどして防災に関しての知見も蓄えてきましょう。