皆さんは、「世界津波の日」という日を聞いたことがありますか?「世界津波の日」とは11月5日にある、国連が定めた記念日です。この日の前後に様々な津波の啓発活動が行われています。ここでは、「世界津波の日ってなんで出来たの?」
「なぜ、11月5日が世界津波の日なの?」といった悩みをお伝えします。
世界津波の日とは
世界津波の日とは
「世界津波の日」とは2015年12月22日にニューヨークで開かれた第70回国連総会本会議で採択された比較的新しい国際デーです。「世界津波の日」が決まったのは第3回国連防災世界会議また持続可能な開発のための2030アジェンダのフォローアップとして,日本を含む142カ国が共に提案しました。また、「世界津波の日」が設けられたことで、世界中の人々が津波の恐ろしさについて認識、関心を持ち、津波の対策が進むことを期待しています。また、津波が起こる可能性があることを知らせる津波の早期警報や「津波てんでんこ」のような伝統的知識の活用など「より良い復興」を通して個人や団体の災害への準備と災害情報の迅速的な共有も重要性を認識させることも目的としています。国単位ですと、この「世界津波の日」と同時に可決された決議の加盟している国や団体、個人に対して、津波に関する関心の向上のために、適した方策で、「世界津波の日」を遵守することを申し出ています。
なぜ、世界津波の日は11月5日なの?
「世界津波の日」は11月5日です。では、なぜ、11月5日なのでしょうか?時は江戸時代まで遡ります。1854年11月5日に和歌山県で起こった大津波の時に,濱口梧陵(現・ヤマサ醤油の濱口家の先祖)ら村人達が収穫した稲むらに火をつけて煙や火で早期に警報を発し、避難させたことで村人の命を救いました。こちらの出来事(稲むらの火)に由来して11月5日に「世界津波の日」が制定されました。また、2011年3月11日に起きた東日本大震災による莫大な津波の被害を受けたため,2011年6月に「津波対策の推進に関する法律」が制定されました。この法律の目的は津波対策についての理解や関心を広くに深めることです。
国連デーとは
世界津波の日は国際連盟(国連)が定めている「国際デー」の1つです。「国際デー」とは国際機関が決定した記念日で、毎年その決められた日に、その記念日に関する重点的問題解決など国連を始め世界の団体、個人に啓発するための日です。国際機関とは多くの方が知っているユネスコやWHO(世界保健機関)、馴染みの薄い国際民間航空機関や世界知的所有権機関などを指します。国連デーを含む国際デーでは記念行事が世界各国で行われています。
世界津波の日のイベント
2018年10月31日から11月1日の2日間,和歌山県和歌山市で「世界津波の日」2018高校生サミットin和歌山が開催されました。日本を含む48ヶ国の高校生が参加しました。高校生たちは,津波の防災に関してのスタディツアーやディスカッションを通じて,日本の津波の歴史や防災・減災の取り組みを学ぶとともに,3分野に分かれて分科会で発表しました。3分野とは「災害から命を守る」「災害に備える」「災害から生き抜く」です。加えて、サミット全体を通して成果文書として「稲むらの火承継宣言」が決まりました。本サミットでは,高校生たちが,将来,地震・津波による被害を最低限に抑え,各国で防災・減災分野のリーダーとしての活躍を願っています。
参加国
北アメリカ
- メキシコ
- カナダ
- 米国
南アメリカ
- アルゼンチン
- ブラジル
- チリ
- ペルー
- パラグアイ
- ベネズエラ
アジア
- 日本
- マレーシア
- スリランカ
- タイ
- カンボジア
- モンゴル
- ベトナム
- シンガポール
- ネパール
- ミャンマー
- ラオス
- インドネシア
- フィリピン
- 中国
- 韓国
- ブルネイ
- コモロ
- モルジブ
オセアニア
- オーストラリア
- ミクロネシア
- サモア
- ツバル
- クック諸島
- バヌアツ
- フィジー
- パプアニューギニア
- パラオ
- ニウエ
- キリバス
- ニュージーランド
- ソロモン
- トンガ
- マーシャル
- ナウル
ヨーロッパ
- ポルトガル
- デンマーク
- ギリシア
- スペイン
- トルコ
陸前高田市長が国際連合で演説
東日本大震災で大きな被害が出た陸前高田市長の戸羽太市長が、国連が制定した「世界津波の日」の11月5日に、ニューヨークの国連本部で震災からの復興状況や、防災対策について演説します。国連は2015年に「世界津波の日」を制定。津波の脅威や対策について国際的な知識、認識の向上を目指し、毎年啓発イベントなどを開催しています。陸前高田市によると、戸羽市長は演説の他にパネルディスカッションなどに参加する予定です。
まとめ
「世界津波の日」世界中で津波の関心を高めようとしています。皆さんもこの日を機会に皆さんも津波に対する知見を広げてみては如何でしょうか?